Appleの純正メッセージアプリiMessageをAndroidでも使用可能とすることを目指す「Beeper Mini」というアプリが最近何かと注目を集めていますが、このアプリが果たす役割は意外と大きいかもしれない、と米The New York Timesが大きく取り上げています。
■3行で分かる、この記事のポイント
1. 「Beeper Mini」というアプリが注目を集めている。
2. iMessageとの互換性以上の結果が得られる可能性も。
3. Appleのテクノロジーはよりオープン化されていく見通し。
16歳のホビーストが状況を大きく変えることに
「Beeper Mini」の開発を行うBeeperは、元々1つのアプリで複数のメッセージングアプリとやり取りすることを目指していた企業です。創業者のエリック・ミギコフスキー氏は、ほとんどのメッセージングアプリを束ねることに成功したものの、唯一AppleのiMessageのみ接続に苦労したそうです。
状況を変えたのは、若干16歳のジェームズ・ジル氏というホビーストです。同氏はiMessageの仕組みがどうなっているのか調べるというのを個人的なミッションとしていましたが、Appleがプッシュ通知システムを使って、デバイス間でのメッセージを可能としていることを突き止めました。
GitHubを見たミギコフスキー氏が仕事をオファー
前述の16歳のジル氏がiMessageに関して発見したことをGitHubにまとめて公開したところ、これがBeeperのミギコフスキー氏の目に留まったといいます。
同氏はジル氏に対して時給100ドル(約14,250円)で仕事をオファーをしたところ、それが無事受け入れられ、“iMessageの仕組みの解読者”というポジションが生まれることになります。
ただ単に「青い吹き出し」が出るだけではない?
「Beeper Mini」が目指すのは安定したiMessageとの互換性ですが、Beeperが行っていることは単にAndroidメッセージングアプリから「青い吹き出し」を出すことではなく、Appleの反競争的な態度への挑戦であると見ることができます。
Appleはセキュリティを理由にBeeper MiniのiMessageへのアクセスをすでに何度もブロックしていますが、このやり方は独占的と言えるのではないかと疑問視する人が出てきています。
単にiOSとAndroid間でスムーズなメッセージのやり取りをしたいだけならWhatsAppやMessengerなど様々な選択肢がすでに存在しますが、Beeperが求めているものはより開かれたテクノロジーであり、同社がAppleに突っかかっていくことで得られるものは決して小さくないと言えるのではないでしょうか。
Photo:Beeper
(lexi)
Source: iPhone Mania
Beeper Miniが問う、Appleの限界とテクノロジーの未来