BoseのノイズキャンセリングヘッドホンのハイエンドモデルであるBose QuietComfort Ultraヘッドホン(以下、QC Ultra)と、Bose QuietComfort Headphones(以下、QCヘッドホン)を試してみました。
筆者が所有しているBose QuietComfort 35 Ⅱ(以下、QC35 Ⅱ)、Bose QuietComfort 25(以下、QC25)を含めた4機種で、イマーシブオーディオ(空間オーディオ)の効果やノイズキャンセリング性能を比較しました。
QC UltraはこれまでのQuietComfortヘッドホンシリーズとは全く異なるデザインを採用して高級感を加味、QCヘッドホンはQC35 Ⅱよりもノイズキャンセリング性能が向上しています。
■3行で分かる、この記事のポイント
1. Bose QuietComfort UltraおよびをBose QuietComfortヘッドホンを、Bose QuietComfort 35 Ⅱ、Bose QuietComfort 25と比較。
2. Bose QuietComfort Ultraのイマーシブオーディオは魅力的だが、操作性はこれまでのQCヘッドホンシリーズと異なるので慣れが必要。
3. Bose QuietComfort UltraとBose QuietComfortヘッドホンのいずれも、これまでのモデルよりもノイズキャンセリング性能が向上しているのを確認。
比較対象製品と、ノイズキャンセリング製品の愛用歴
BoseよりQC UltraとQCヘッドホンを貸し出して頂きましたので、筆者が使用するQC35 Ⅱと、筆者の家族が使用するQC25を比較しました。
筆者の、ノイズキャンセリングヘッドホン使用歴は下記の通りです。
Bose
- QuietComfort 3
- QuietComfort 25
- QuietComfort 35 Ⅱ
他社製品
- ソニー MDR-NC500D
AirPods Maxは試聴するも、約385グラムの重さは245グラム前後のBoseやソニーのQCヘッドホンシリーズと比較しても重すぎで、Apple製品との相性の良さを加味しても許容できず、それでいてBoseやソニーに劣るノイズキャンセリング性能のわりに高額な価格、特別優れているとは感じないデザインにより、購入していません。
Bose QuietComfort Ultra Earbudsのレビュー記事でもお伝えした通り、筆者がノイズキャンセリングヘッドホンおよびイヤホンに求める性能で最も重視するのはノイズキャンセリング性能です。音質の良い音楽を聞きたいなら、ソニー MDR-CD900STで満足しているからです。
今回の比較は、屋内、屋外、飛行機内、電車内の使用で行いました。
▼ 比較評価項目と評価結果
▼ デザイン
▼ ノイズキャンセリング性能
▼ 操作性
▼ 音質
▼ 駆動時間と充電環境
▼ まとめ
比較評価項目と評価結果
4製品を、「デザイン」「ノイズキャンセリング性能」「操作性」「音質」「駆動時間と充電環境」の項目で比較評価した結果が下記の通りです。
QC Ultraは新しいハイエンドモデルなので当然としても、QCヘッドホンのノイズキャンセリング性能がQC35 Ⅱよりも明らかに優れているのに進化を感じました。
イマーシブオーディオに興味がなく、ノイズキャンセリング性能だけで選択するのであればQC UltraとQCヘッドホンの差はほぼ無く、価格の安いQCヘッドホンを選択しても十分満足できます。
装着感や音質の評価は、個人差(相性)がありますのでご了承ください。下記の評価点数は、製品による違いを明確にするためあえて差をつけています。
項目 | Bose QuietComfort Ultra | Bose QuietComfort ヘッドホン | Bose QuietComfort 35 Ⅱ | Bose QuietComfort 25 |
---|---|---|---|---|
デザイン | 5 | 3 | 3 | 3 |
ノイズキャンセリング 性能 | 5 | 5 | 4 | 3 |
操作性 | 3 | 5 | 5 | 4 |
音質 | 5 | 4 | 4 | 4 |
駆動時間 と 充電環境 | 5 | 4 | 4 | 評価外 |
デザイン
QC UltraのデザインはこれまでのQCシリーズヘッドホンとは異なり、ソニー WH-1000XMシリーズに寄せてきた感じです。
対して、QCヘッドホンのデザインはQC25以降の見慣れたデザインです。ハイエンドモデルの地位をQC Ultraに譲ったことで、QC45と比べてカジュアルな本体カラーが採用できたのかもしれません。
QC Ultraの重さは約250グラム、QCヘッドホンやQC35 Ⅱ、QC25などはいずれも約240グラムです。
QC Ultraのヘッドバンドから伸びるアームは、金属ではなく金属調のプラスチックです。
QC Ultraの収納ケース(下記画像右)のデザインはQCヘッドホン(下記画像中央)のものを基本としながら、少しデザインを変えてあり丸みを帯びています。
QCヘッドホンの収納ケースもQC35 Ⅱと微妙に異なり、ジッパータブの素材や、背面のポケットの廃止などの違いがあります。
QC Ultraの収納ケースにはイヤーカップが収まる凹みが設けられており、ケース内で動いて擦過傷がつくことを防いでいます。
QC UltraとQCヘッドホンのヘッドバンドの内側は皮革調の素材で、QC35 Ⅱのバックスキン調の素材と異なります。
ノイズキャンセリング性能
QC UltraとQCヘッドホンのノイズキャンセリング性能はほぼ互角で、QC35 Ⅱよりも優れています。
また、アウェアモードでの外部音の聞き取りやすさが向上したように感じました。
QC25はノイズキャンセリングをオンにした無音の状態ではホワイトノイズがわずかに聞こえるのに対し、QC35 Ⅱ、QC UltraとQCヘッドホンでは気になりませんでした。
操作性
音量調整などをボタンで操作するQCヘッドホンとそれ以前のモデルに対し、QC Ultraはイヤーカップのタッチセンサーで行います。
微妙な音量調整は、ボタン式のほうが優れていると感じました。
音質
やはり、QC Ultraのイマーシブオーディオ(イマーションモード)は効果的です。
QC25を普段愛用している筆者の家族がQC35 Ⅱには興味を示さなかったのに対し、QC Ultraのイマーシブオーディオを体験するとQCヘッドホンに戻りにくくなると評価していました。
ただし、リズムゲームではいずれのワイヤレスノイズキャンセリングヘッドホンも音声の遅延があったと報告しています。
Boseのノイズキャンセリングヘッドホンには3.5mm – 2.5mmオーディオケーブルが付属しますので、音声の遅延を感じる場合は有線接続に切り替えたほうが良さそうです。
当然、有線接続にのみ対応するQC25では音声の遅延はありません。
駆動時間と充電環境
バッテリー駆動時間は、QC Ultraが最大24時間(イマーシブオーディオ再生時は最長18時間)、QCヘッドホンは最大24時間、QC35 Ⅱは最大20時間です。
QC UltraとQCヘッドホンの充電端子はUSB-Cなので、QC35 Ⅱのように出張時にそれにしか使わないmicroUSBケーブルを持ち歩く必要がありません。
QC25のノイズキャンセリング機構は単4電池で動作、アルカリ乾電池で約35時間の使用が可能です。
まとめ
総合評価点数だけを考えれば、オススメはQC Ultraです。イマーシブオーディオ対応と新デザインは、「新しいノイズキャンセリングヘッドホンを購入した!」との満足が得られるでしょう。
ただし、販売価格は税込59,400円(公式サイト)と、これまでのQCシリーズヘッドホンよりも高額です。
QCヘッドホンの販売価格は税込46,200円(公式サイト)なので、これまでのQCヘッドホンと大きく変わりません。
価格も含めて評価すると、イマーションモード必須でデザインが気に入ったならQC Ultra、他社のノイズキャンセリングヘッドホンに不満があり、Boseのノイズキャンセリングヘッドホンを初めて試すならQCヘッドホンが良いのではと感じました。
Boseは特別価格でのセール販売を実施したり(現在も実施中)、Amazonの公式ストアでは公式サイトの価格よりも安く販売しています。
筆者宅では、QuietComfort Earbuds Ⅱを使用してきた筆者はQuietComfort Ultra Earbudsをレビュー後に注文済み(自腹購入)、QC25を愛用してきた家族がQC Ultraの購入を検討中です。
参考URL:Bose QuietComfort Ultra Headphones, Bose QuietComfort Headphones
(FT729)
Source: iPhone Mania
Boseの新型ノイズキャンセリングヘッドホンを比較評価〜見た目同じでも性能向上