Appleは昨年、企業の口コミサイトGlassdoorが毎年公開している「働きやすい職場ランキング100」から、10年ぶりに脱落しました。しかし、2024年度のランキングにおいて同社が、100位以内に返り咲いたことが明らかとなりました。
昨年、Meta、Google、Amazonといった競合他社が大幅なレイオフを実施する一方で、Appleは実施しなかったことがランキングに返り咲いた一因だと思われます。
■3行で分かる、この記事のポイント
1.Apple、2024年版「働きやすい職場ランキング100」で39位にランクイン。
2.2024年版ランキングにランクインしたハイテク企業は31社で昨年より減少。
3.大規模なレイオフを回避したことがAppleがランキングに返り咲いた一因か。
Appleは、39位に返り咲き
Glassdoorが発表した「働きやすい職場ランキング100」の2024年版によると、1位は経営コンサルティング会社のBain&Company、2位は半導体メーカーのNvidiaでした。
Appleは今年、39位にランクインしています。ちなみに、同社がランキング外に脱落する前の2021年の順位は31位でした。Glassdoorの2024年版ランキングにランクインしたハイテク企業は31社で、2023年の41社から減少しています。
Glassdoorのリードエコノミストであるダニエル・ザオ氏はBloombergへの声明で、「ハイテク企業は、この1年で輝きを失った」と述べ、以下のように語りました。
求職者にとっては今でも素晴らしい業界ですが、一定の輝きが失われています。復活を遂げつつある企業は古参の企業であり、よりバランスの取れた雇用市場に戻りつつあることを示唆しています。
ザオ氏は従業員が今年、最も重視したのは「安定と安全」の2つだと述べ、Appleが大規模なレイオフを回避できたことが、同業他社よりも従業員に雇用の安心感を与えた可能性が高いと説明しました。
そのほかのハイテク企業では、Adobeが15位、Microsoftが18位、Googleが26位にランクインしています。Metaは2年連続でランク外となり、Salesforce、Intel、Netflix、Yahooも今年はランキングから外れました。
Appleは大規模なレイオフを回避
Meta、Amazon、Salesforce、Alphabet、Microsoftなどの大手ハイテク企業は昨年、大規模なレイオフを実施しました。
Appleは大規模なレイオフを避けてきましたが、一部チームの人員削減や同社が直接雇用していない契約社員の雇い止めなどは行っていると報じられています。
とはいえ、同業他社が10,000人規模のレイオフを行う中、Appleの人員削減は微々たるもので、同社の経営力は賞賛されるべきものでしょう。実際、Wedbush証券でアナリストは、ティム・クック最高経営責任者(CEO)の経営手腕を「殿堂入り」だと褒め称えました。
このようにAppleが大規模なレイオフを避けられたのは、ここ数年、同社が従業員雇用に対して非常に慎重な姿勢を貫き、コスト削減のためにランチを有償で提供していることが要因の1つだとされています。
これらは賞賛されるべきことですが、アプリレビュー担当者チームの人員不足、Googleへの人材流出など、人材不足や優秀な人材の流出なども懸念されています。また、従業員の転職を不当に妨害していると訴訟を起こされるなどの問題も報じられており、同社にはまだ課題も多く残っていると言えるでしょう。
(m7000)
Source: iPhone Mania
Apple、「働きやすい職場ランキング100」に返り咲き。レイオフ回避が一因か