米司法省が、2024年3月を目標としてAppleを独占禁止法(反トラスト法)で提訴する方針を固めていることが分かりました。同省が巨大プラットフォーマーを相手取る訴訟としては、2020年の対Google以来となります。
■3行で分かる、この記事のポイント
1. 数年越しの調査の結果、米司法省はAppleが独占禁止法違反だと判断。
2. これまでにもTileやSpotifyなどが苦情を申し立ててきた。
3. Googleへの締め付けなど、世界的に巨大プラットフォーマーへの風当たりは強まっている。
これまでにも訴訟の予兆はあった
米司法省がAppleを相手取って訴訟を起こすのではないかとの観測は、何年も前から存在しました。
これまでにも何度かAppleに不満を持つ複数デベロッパーへの聞き取りが行われたほか、2022年には同省がApp Storeの運営姿勢を問題視し、訴訟準備の初期段階に入っていると報じられた経緯があります。
関係者がBloombergに明かしたところによると、省内で正式な承認が下り次第、2024年3月を目途として、今後数カ月以内に訴訟が正式に起こされる予定です。
サードパーティーからの苦情が背景
独占的なプラットフォームを有する企業が、ライバルを排除する形で自社コンテンツを有利に展開する行為は、市場競争を不当に阻害しているとして、独占禁止法(反トラスト法)に抵触するとの見方が一般的です。
Appleの場合は、これまでに「探す」アプリやAirTagと競合するTile、Apple Musicと競合するSpotifyなどが、米司法省や欧州連合(EU)の欧州委員会に対して苦情を申し入れていました。
対Google裁判でもAppleが大きく関係
すでに米司法省は2020年10月、独占禁止法に違反しているとしてGoogleを提訴していますが、この訴訟でもGoogleとAppleとの癒着が問題となっています。
Appleの公式ブラウザSafariでデフォルトの検索エンジンにしてもらうべく、同社に対してGoogleは毎年100億ドル(約1兆4,000億円)超を支払っているとされています。
知っての通り、GoogleはAndroidを一手に収めており、スマートフォン業界を牛耳る両社が桁違いの資金を武器に手を結ぶ行為は、市場の健全性を損なっていると解されても不思議ではありません。
2023年10月には日本でも、Androidスマートフォン企業とGoogleが取り交わした契約を巡り、公正取引委員会が捜査に着手したと報じられており、巨大プラットフォーマーへの締め付けは世界的に厳しくなりつつあります。
(kihachi)
Source: iPhone Mania
米司法省、2024年3月にApple提訴へ~独占禁止法の新たな闘い