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今日から使えるライディングテクニック実践講座【最新版 スマテク2.0】5.Uターン(3)最少半径で曲がる(動画あり)

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写真/渡辺 昌彦 取材・文/佐川 健太郎 衣装協力/KUSHITANI

究極はフルステア&フルバンク
成功させるにはテクが必要だ

今回のテーマは「最少半径でのUターン」です。Uターンは方向転換の手段なので安全・確実にできることが第一であって、けっして無理をする必要はありません。安全な範囲でスキルを磨いて選択肢の幅を広げていただければと思います。

さて、Uターンの完成系とも言えるのがハンドルをフルに切ってバイクを深く寝かせてクルッと曲がる「フルステア&フルバンク」でのUターンになります。そのメリットは最も小さい旋回半径で曲がれることです。ハンドル切れ角が大きいほど小さく曲がれるのは当然として、バイクのタイヤは断面がラウンド形状になっていて、傾斜させるほどタイヤの接地面も内側に移動して小さく曲がれるようになります。ただし、極低速でバイクを寝かせていくにはテクニックも必要なので、ひとつひとつポイントを押さえていきましょう。

手順としては、まずフルステア状態にもっていくことを優先します。これは前回やった「フルステアで曲がる」を参照ください。フルステア状態で安定して曲がれるようになったら、次に車体を徐々に寝かせていきますが、そのままだとバイクはイン側に倒れ込もうとします。これを上手く中和させるテクニックが「リーンアウト」です。イン側に傾こうとするバイクに対してライダーが上体をアウト側に持っていくことで、重心バランスを整えるテクニックになります。バイクとライダーがそれぞれ反対に開いたV字のように見えるので「V字バランス」とも言います。

Vバランスにはいくつかポイントがあります。ひとつめは上体だけではなく腰ごと外側に「逆オフセット」すること。着座位置を外側にずらすことで大きな重心移動量を得ることができます。そして2つめは「グリップの握り変え」です。前回もお伝えしましたがフルステアで車体を傾けていくと、ハンドル位置がかなり低くなります。Uターンの場合は右ターンになるためスロットルグリップ側が低くなり、グリップが握りにくくなるはずです。そんなときは「逆斜め握り」で人差し指と親指で作るループでスロットルを軽く握る感じで構えるとやりやすいと思います。3つめが「外足ホールド」。スロットルを開けると起き上がろうとするバイクを外ヒザで上から潰していくようなイメージで押さえつけることでバンク角を一定に保ちやすくなります。いろいろな技が融合した難しいテクニックにはなりますが、安全な範囲でトライしてみてください。詳しくは下記の解説をご覧ください。動画も合わせてチェックしていただくと動きのイメージが分かりやすいと思います。

これを見れば完璧!最少半径で曲がるUターン

Point1
「V字バランス」

■リーンアウトで外側から引っ張る
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フルステア状態から車体を寝かせていくとバイクはイン側に倒れ込もうとする。ハンドルはそれ以上切れない中ではリーンアウトによる「V字バランス」が有効。倒れ込もうとするバイクに対してライダーが上体を起こしてアウト側に重心移動することでヤジロベエのようにバランスがとりやすくなる。アウト側からバイクを引っ張り起こすイメージだ。

Point2
「逆オフセット」

■シートのアウト側の角に座るイメージで
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V字バランスの効果をさらに強く引き出せるのが「逆オフセット」での着座位置。Uターンのような極低速ターンでは上体だけでなく着座位置そのものをシート外側にずらすのが効果的。傾いた車体に対してシートのアウト側の角(通常のUターンなら左角)に座るイメージにするとバランスがとりやすいはず。

Point3
「逆斜め握り」

■人差し指と親指で作るループで軽く握る
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通常はグリップに対して斜めに軽く握ることで、ハンドルをフルに切っても肘が邪魔にならず懐に余裕が生まれる。ただし「フルステア&フルバンク」に対応して上体をリーンアウトにするほどスロットルは低く遠くなり操作がしづらくなる。その場合は「逆斜め握り」で人差し指と親指で作るループでスロットルを軽く握るイメージするとやりやすい。

■弓を射るポーズを意識してみる
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「逆斜め握り」を上手くこなすコツは腕の形にある。右回りの通常のUターンの場合は右腕を前に伸ばし、左腕は肘を高く掲げたまま後ろに引いた「弓を射る」イメージのフォームを意識すると対応しやすい。今回のメイン写真と合わせて見て頂けるとイメージしやすいと思う。

Point4
「外足ホールド」

■ヒザで上からタンクを押しつぶす感じ
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スロットルを開ける(加速する)とバイクは起き上がろうとするので、半クラとリアブレーキでパワーを調整しつつ、外ヒザで上からタンクを押しつぶす感じで車体をしっかりホールドすることでバンク角を一定に保つ。前回お伝えした上体を少しイン側に入れた「直立リーンイン」とは逆の発想でのバランス補正テクニックだ。引き出しを増やすことで現場対応力を高めたい。

スマテク2.0 講師 プロフィール

Source: バイクブロス
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