現在ロードレース世界選手権 Moto2 クラスに参戦中のソムキアット・チャントラ選手が昇格し「Honda LCR(ホンダ・エルシーアール)」より MotoGP クラスにフル参戦することが決定した。これによりチャントラ選手はタイ人として初となる MotoGP クラスフル参戦ライダーとなった。
<FIMロードレース世界選手権 MotoGP>ソムキアット・チャントラ選手がタイ人初のMotoGPフル参戦ライダーに決定
FIM(※1)ロードレース世界選手権Moto2クラスに「IDEMITSU Honda Team Asia(イデミツ・ホンダ・チーム・アジア)」から参戦中のソムキアット・チャントラ選手が、2025年シーズンから最高峰クラスであるMotoGPクラスに昇格し「Honda LCR(ホンダ・エルシーアール)」から参戦することが決まりました。これによりチャントラ選手は、タイ人初のMotoGPクラスのフル参戦ライダーになります。
(※1)FIMとは、Federation Internationale de Motocyclisme(国際モーターサイクリズム連盟)の略称
チャントラ選手は2015年のShell Advance Asia Talent Cup(※2)(シェル アドバンス・アジア・タレントカップ)の開幕戦レース1でいきなり優勝する鮮烈なデビューを果たすと、その年のランキング2位を獲得し、翌2016年は見事チャンピオンに輝きました。
2017年からはFIM CEVレプソルMoto3ジュニア世界選手権に挑戦し、2018年は母国開催となったFIM ロードレース世界選手権タイGPのMoto3クラスにワイルドカードで参戦しています。そして2019年、IDEMITSU Honda Team AsiaからMoto2クラスにフル参戦を果たし、2022年インドネシアGPで初優勝し、Moto2クラスで優勝した初めてのタイ人ライダーとなりました。その後も2023年には日本GPで優勝するなど、競争力の高い同クラスで成長をみせ、今シーズン第11戦オーストリアGP終了時点でランキング10位となっています。
チャントラ選手のMotoGPクラスへの昇格により、IDEMITSU Asia Talent CupやMoto2・Moto3クラスに参戦するHonda Team Asia(ホンダ・チーム・アジア)を通して、アジアのライダーがトップカテゴリーを目指すHondaの選手育成システムが確実な成果に結びついています。これまでに中上貴晶選手も、Moto2クラスのIDEMITSU Honda Team AsiaからMotoGPクラスへ昇格し、Honda LCRから参戦しています。
(※2)現在のIDEMITSU Asia Talent Cup(イデミツ・アジア・タレントカップ)2014年から始まったアジア圏の若手ライダー育成プロジェクト。FIMロードレース世界選手権の主催者であるDorna Sports, S.L.(ドルナ・スポーツ エス・エル)が運営
ソムキアット・チャントラ選手
「LCRチームに加わることができて大変うれしく思います。MotoGPの世界で戦うことが夢でしたが、遂にそれを実現することになりました。今まで自分のキャリアを支えてくれたすべてのスポンサーと関係者の皆様に感謝したいと思います。来シーズンからは、最高峰クラスで学び、最大限の力を発揮し、この新しい冒険を楽しむことに全力で取り組みます。難しいとは思いますが、ベストを尽くします」
Honda LCR チームプリンシパル&CEO ルーチョ・チェッキネロ
「我々は、HRCと同じく、ソムキアット・チャントラ選手が二輪レースの最高峰でチャンスを得るにふさわしく、彼のような素晴らしいアジアの才能を迎える時が来たと考えています。チャントラ選手は、Moto2での数年間の経験を通じて成長し、MotoGPで強いライダーになるためのポテンシャルとスキルを持っていることを示してきました。LCRとHondaは、この新しいプロジェクトのさまざまな局面で、彼をサポートするためにベストを尽くします」
株式会社ホンダ・レーシング(HRC)代表取締役社長 渡辺康治
「ソムキアット・チャントラ選手のMotoGPクラスへの昇格を発表できることを大変うれしく思います。Hondaが長い間取り組んできた、アジアから世界で活躍できるライダーを送り出す活動が実を結び、今後も同地域でのモータースポーツ振興に大いに貢献できると考えています。最高峰クラスでさらに活躍し、多くの若者の目標となるグランプリライダーに成長してくれることを願っています」
ソムキアット・チャントラ(Somkiat Chantra)選手のプロフィール
■生年月日/1998年12月15日(25歳)
■出身地/タイ
■主な戦績
・2015年 アジア・タレントカップ 2位
・2016年 アジア・タレントカップ チャンピオン
・2017年 FIM CEVレプソルMoto3ジュニア世界選手権 11位
・2018年 FIM CEVレプソルMoto3ジュニア世界選手権 8位
・2019年 FIM ロードレース世界選手権Moto2クラス 21位
・2020年 FIM ロードレース世界選手権Moto2クラス 25位
・2021年 FIM ロードレース世界選手権Moto2クラス 18位
・2022年 FIM ロードレース世界選手権Moto2クラス 10位
・2023年 FIM ロードレース世界選手権Moto2クラス 6位
・2024年 FIM ロードレース世界選手権Moto2クラス 10位(※3)
(※3)2024年8月18日 第11戦オーストリアGP終了時点
Honda LCRの概要
■チームプリンシパル&CEO/ルーチョ・チェッキネロ
■設立/1996年
■チーム拠点/モナコ公国
リリース
本田技研工業株式会社(2024年8月30日発行)
Source: バイクブロス
【ホンダ】ソムキアット・チャントラ選手が MotoGP クラスに昇格/Honda LCR よりシーズンフル参戦が決定