Appleは、watchOS11の新機能である睡眠時無呼吸症候群の検出機能の動作について説明した資料をPDF形式で公開しました。この資料は研究論文の形を取っていますが、著者リストは記載されておらず、匿名となっています。
10人に1人に症状、約8割は気づかないという事実
Appleが公開した「Apple Watchから呼吸の乱れと睡眠時無呼吸症候群のリスクを推定する(Estimating Breathing Disturbances and Sleep Apnea Risk from Apple Watch)」という論文形式の資料には、機能がどのように開発・検証されたかが詳細に説明されています。
資料によると、中等度から重度の睡眠時無呼吸症候群は世界の成人人口の約10%が患っており、10人に1人という高い確率で症状が見られることが示されています。また、症例の最大80%が診断されていないという研究結果も述べられており、Apple Watchにこの機能を搭載する意義が強調されています。
加速度センサーはどのように検出する?
Apple Watchの3軸加速度センサーは、身体の粗い動きだけでなく、呼吸に伴う微細な動きも検出できます。Appleは、加速度センサーの時系列データを用いて、睡眠中の呼吸パターンの一時的な中断である「呼吸の乱れ」を分類するアルゴリズムを開発しました。
睡眠時無呼吸の通知は2種類あり、1つ目は毎晩の呼吸の乱れを測定するもの、2つ目は呼吸の乱れの数値が30日間にわたって上昇した場合にユーザーに通知するものです。
機能を使用するには、短いオンボーディングプロセスを経て、睡眠トラッキングを有効にする必要があります。
呼吸の乱れをトラッキングすることで、影響を及ぼす可能性のある行動やライフスタイルの要因を理解することが、この機能の醍醐味の一つとされています。
2,160人の参加者が自宅または睡眠実験室でテスト
アルゴリズムの開発段階では、2,160人の参加者から3,936晩にわたる自宅およびラボでのデータが収集されました。
パフォーマンステストの段階では、2,542人の参加者から7,220晩の記録が追加されました。
参加者の人種別内訳は、アルゴリズム開発とパフォーマンステストの段階でそれぞれ、白人(70.7%と69.1%)、黒人(9.0%と8.9%)、アジア人(11.4%と13.5%)、ヒスパニック(7.2%と7.6%)でした。
Source: Apple via AppleInsider
Source: iPhone Mania
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