若者を悩ませるSNS投稿トラブルを回避する
新社会人のみなさん、新しい環境には慣れましたか? 社会人の仲間入りをして、期待と不安が入り混じる日々を過ごしていると思います。
そんなみなさんが社会人として賢く使いこなしたいツールの1つが、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)ではないでしょうか。今やSNSは、ビジネスに関する情報収集や、友人・知人たちとの交流など、生活に欠かせないコミュニケーションツールとなっています。
一方で、SNSは使い方を誤ると思わぬトラブルに発展する危険性も指摘されています。総務省情報白書によれば、若者のSNSをめぐるトラブルについて「20代以下のSNS利用者の約26%がSNS関連のトラブルを経験している」(※1)と回答しています。
これらのデータが示すように、SNSのトラブルは決して他人事ではありません。筆者も以前、取引先の編集会社の方から「ライターを採用する際は必ずその人のSNSをチェックしている。実際に、不適切な投稿をしていた人の内定を取り消したこともある」という話を耳にしました。
今やSNSは単なる個人の娯楽ツールにとどまらず、社会人としての「顔」としての役割も担っています。何気ない投稿が大きな問題となり、個人だけでなく会社全体に大きな損害を与えてしまう危険性も十分に考えられるのです。
そこで本記事では、新社会人向けSNS活用ガイド2024年版として、業務面とプライベート面の両方から、SNSで投稿する際に注意すべき点を詳しく解説していきます。安全なSNS利用でキャリアアップを目指す方必見! ぜひ、最後まで読んでくださいね。
Xアカウントを非公開設定にする
SNSに投稿する際は、全世界に公開してもよい情報か、あるいは友人・家族にとどめたほうがよい情報かを判断し、適切に公開範囲を設定しましょう。
X(旧Twitter)では、アカウントを「非公開アカウント」(鍵垢)に設定することで、フォロワーのみが投稿を閲覧できるようになります。iPhoneのXアプリでの設定方法は以下の通りです。
1設定を開く
Xアプリを開き、画面左上のプロフィールアイコンをタップして①[設定とサポート]のメニューを開き、②[設定とプライバシー]をタップします。
2[プライバシーと安全]を開く
各種設定が表示されるので、[プライバシーと安全]をタップします。
3[オーディエンスとタグ付け]を開く
[プライバシーと安全]で設定できる項目の画面が表示されました。[オーディエンスとタグ付け]をタップします。
4アカウントを非公開にする
[オーディエンスとタグ付け]画面が表示されたら、[ポストを非公開にする]をオンにします。これにより、あなたのツイートはフォロワーのみが閲覧できるようになります。
Instagramアカウントを非公開設定にする
InstagramもX同様、非公開アカウントの設定が可能です。Instagramでは、アカウントを「非公開アカウント」に設定することで、承認したフォロワーのみが投稿を閲覧できるようになります。iPhoneのInstagramアプリでの設定方法は以下の通りです。
1設定を開く
Instagramアプリを起動し、プロフィール画面の右上に表示されている[≡]をタップします。
2[アカウントのプライバシー]を開く
[設定とアクティビティ]画面が表示されました。[アカウントのプライバシー]をタップします。
3非公開アカウントの設定を行う
[アカウントのプライバシー]を開くと、アカウントを公開/非公開にする設定画面になるので、[非公開アカウント]をオンにします。
[非公開アカウント]をオンにすると、[非公開アカウントに切り替えますか?]という表示になるので、[非公開に切り替える]をタップします。これにより、あなたの投稿は承認したフォロワーのみが閲覧できるようになります。
なお、仕事用とプライベート用というように、別々のアカウントを作成することも可能ですが、投稿内容から個人が特定される可能性も十分に考えられます。いずれにせよ、常に誰から見られても問題のない適切な投稿を心がけましょう。
SNSに投稿してはいけない内容5選
XとInstagramでアカウントを非公開に設定する方法を紹介しました。ここからは、SNSに投稿すべきではない内容について見ていきます。具体的には以下の5つがあり、業務に関する内容はもちろん、プライベートでの発信にも注意が必要です。
- 機密情報漏洩につながる投稿
- 業務に関するネガティブ系の投稿
- 業務における著作権侵害系の投稿
- プライベートにおけるNG投稿
- プライベートにおける著作権侵害系の投稿
機密情報漏洩につながる投稿
「新オフィスはセキュリティシステムがすごい! 顔認証で入室できるんだ。PCのパスワードは......」
新しいオフィスの様子や日々の業務に浮かれるあまり、思わずこんな投稿をしてはいませんか? テンションが上がる気持ちは分かりますが、実は職場でのこうした投稿には多くのリスクが伴います。
業務に関する投稿をする際は、以下のような点を意識してください。
- 写真の背景に映り込んだホワイトボードやパソコン画面から、重要情報が外部に漏れる
- 「A社との大型案件が決まりそう!」といった前向きな投稿も、会社の業務状況や経営状態が外部に漏れる
業務に関するネガティブ系の投稿
「今日もまた、残業か......」
「A社のあの担当者、いつも無茶な要求ばかり......」
機密情報に直接関係していなくても、業務に関する投稿にも注意が必要です。SNSでの投稿は、あなたの友人や同僚だけでなく、上司や取引先の関係者が目にする可能性も十分あります。
仕事に関する不満や悩みはSNSで発散するのではなく、上司や人事部門に直接相談するようにしましょう。
- 自社内の業務ストレスについての言及や、自虐的な投稿
- 取引先に関するネガティブな投稿
業務における著作権侵害系の投稿
「新商品のプレゼン資料、ちょっとだけ見せちゃうね♡ この企業ロゴがカッコいいから、スマホの待ち受けにしようっと。」
いよいよ仕事を任されるようになり、明日は初めてのプレゼンデビュー! しかし、浮かれるあまり、このような投稿をしてはいませんか?
プレゼン資料や企業ロゴは企業の貴重な知的財産であり、無断使用は著作権侵害に当たります。さらにプレゼン資料には、まだ公開されていない製品情報や戦略が含まれている可能性があり、社員がこれらをSNSで外部に漏洩することで、企業全体の信頼性が大きく損なわれる恐れがあるのです。
こうした投稿は、社内規定違反として懲戒処分を受ける可能性があるだけでなく、場合によっては関係企業から刑事責任を問われることもあります。
プライベートにおけるNG投稿
「水曜の夜はやっぱり飲み放題でしょ! オールナイトで楽しもう!」
「〇〇人ってやっぱりダメだよね。」(特定の民族や国籍に対する差別的な発言)
「お金もらえるなら誰でもやるでしょ!」(お金配り系の投稿をリポスト)
業務中だけでなく、仕事の終わったあとや休日などのプライベートの言動に関する投稿についても、細心の注意が必要です。平日深夜の飲酒写真や、過度なパーティー風景の写真の投稿は、取引先や関係者などに「仕事に支障をきたすのでは?」という印象を与えかねません。
また、誹謗中傷や差別的な発言は、他人を深く傷つけてしまうだけでなく、社会人としての信用の失墜や法的なリスクにもつながります。
さらに、詐欺的な投稿への反応、炎上している投稿に対してかみついてみること、「お金配り系」の投稿のリポストは「この人、リテラシー大丈夫かな?」と思われてしまう可能性があります。こうした投稿は個人だけでなく会社の評判を損なう可能性があるため、決してやらないようにしましょう。
プライベートにおける著作権侵害系の投稿
「今日のランチおいしかった! #ランチ #カフェ #グルメ」 (画像に人気グルメブロガーが撮影した料理の写真を無断でコピーして使用している)
他人が投稿した文章や写真を無断でコピーして、あたかも自分が経験したかのようにして投稿するのも、おおいに問題のある行為です。他人が作成した文章や音楽、画像には著作権があります。そのため、そうした素材を無断で使用して自分のものであるかのような投稿をする行為は、法的トラブルに発展する可能性があるのです。
他人の投稿や記事を引用する際は出典を明記し、著作権法を遵守しましょう。画像を投稿するときには、著作権フリーの素材を活用することをおすすめします。
これまで、SNSにおけるNG投稿5選について紹介してきました。SNSで投稿するときは、以下のチェックリストで内容を十分に確認するようにしましょう。
- 投稿範囲の設定は適切ですか?
- 仕事に関する機密情報が含まれていませんか?
- ネガティブな内容や他社への不適切な言及はありませんか?
- 匿名でも責任を持てる内容になっていますか?
- 誹謗中傷、差別的な内容が含まれていませんか?
- 著作権を侵害していませんか?
SNSは使い方次第で、あなたのキャリアを大きく飛躍させる強力なツールとなりえます。しかし、その一方で使い方を誤ると、思わぬマイナス効果をもたらす可能性も秘めているのです。SNSの特性を理解し、賢く活用することで、より豊かなビジネスライフを送りましょう!
参考記事
(※1)総務省「社会課題解決のための新たなICTサービス・技術への人々の意識に関する調査研究」(平成27年)
Source: できるネット
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