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今日から使えるライディングテクニック実践講座【最新版 スマテク2.0】7. 街中を安全に走る(3)安全に止まる(動画あり)

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写真/渡辺 昌彦 取材・文/佐川 健太郎 衣装協力/KUSHITANI

「真っすぐに止まる」
これが最大のポイントだ

交差点の一時停止や赤信号で停止するとき、なんでもないところでバランスを崩して転びそうになったことはないでしょうか。それは何故なのか!? バイクは前後輪2つのタイヤで減速しながら最終的には足を着いて停止しますが、そのとき若干ではありますが右か左に傾いて停止するため瞬時にバランスを保つ必要があります。大型バイクになるほど車体も大きく重くシートも高くなるため、なおさら難しくなるわけです。

そこで大事なのが「車体を安定させて止まる」こと。そのためにお薦めするのが3段階ブレーキです。まずリアブレーキ。リアブレーキには姿勢を安定させる効果があります。次にフロントブレーキを軽くかけてフォークを縮めてフロントタイヤを路面に押し付けます。そこからさらに強めにブレーキレバーを握り込むことで本格的な制動力を発揮します。つまり、「リア」→「フロント弱」→「フロント強」の3段階でかけることで安定して止まることができます。逆に悪い例としてはフロントブレーキを最初にガツンと握ってしまうと、急激にフロントに荷重が移って一気に前のめりになりバランスを崩しやすくなります。

安定して止まるためには、「真っすぐに止まる」ことがポイント。これにも3つの“真っすぐ”があります。1つは車体を垂直にして止まること。左右どちらかに傾きながらブレーキをかけると当然、車体の挙動も不安定になります。2つめは自分の車線に対して真っすぐ平行に止まること。これも斜めに止めてしまうとバランスを崩すきっかけになります。そして3つめはハンドルを真っすぐにして止まること。止まったときにハンドルが切れていると切れている側に車体が傾きやすく、バランスを崩して最悪は転倒してしまうことに。さらに言うと、自分もシートのど真ん中に座っているかもチェックすると良いでしょう。

また、「足を前に着く」こともポイント。何故かというと、大概は自分が想定しているより少し先でバイクが止まることが多いため。よくある例としては、ここで止まれるだろうと思って足を着いたらバイクが先に行ってしまっておっとっと……。これを回避するには、自分が止まろうとしている地点より50cmぐらい先に足を出すと停止時にぴたりと真下に足が着けるはずです。

路面状況をよく観察することも大事です。例えば交差点の停止線の直前は路面が荒れたりうねったりしている場合が多いもの。特に大型車が通る幹線道路などはブレーキングによって路面に深い轍ができている場合があります。運悪くそこに足を着こうとして「地面がない!」と焦ることに。教習所では停止時に左足を着くように教わると思いますが、路面が悪ければ右足を着いても路肩の縁石を利用しても良いと思います。現実の交通の中では状況に応じて臨機応変に対応することが大事。自分だけでなく周囲の安全も守ることを最優先にして正しい判断と操作ができるよう心掛けましょう。詳しくは下記の解説をご覧ください。動画も合わせてチェックしていただくと動きのイメージが分かりやすいと思います。

これを見れば完璧!安全に停止するためのコツ

Point1
「3段階プレーキ」

■リアで姿勢安定させてフロントで止まる
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リアブレーキの制動力は小さいが姿勢安定効果があり初期にかけると効果的。フロントブレーキが制動力の中心になるが、最初に軽くかけてフォークをボトムさせることで前輪タイヤをしっかり路面に押し当ててから、レバーをギユッと握り込むことで強い制動力が生まれる。つまり「リア→フロント弱→フロント強」の3段階でかけると安定して短い距離で確実に止まれる。最終的には前後ブレーキはほぼ同時にかけることになるが、普段から習慣づけることで自然にできるようになるはずだ。

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いきなりフロントブレーキを強くかけてしまうと、急激に荷重がフロントに集まりバイクの姿勢も極端に前傾してライダーも前のめりに。最悪は後輪が浮いてしまいリアブレーキも効かず、止まれたとしてもバランスを崩しやすい。

Point2
「真っすぐに止まる」

■車体は垂直、ハンドルも真っすぐに
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安定して止まるためには「車体を垂直」にして自分の車線に対して「車体を真っすぐ」に向けて減速し、「ハンドルを真っすぐ」にして停止するのが最も確実。最後までリアブレーキをかけ続けて止まる直前にスッと左足を出すのが理想だが、路面状況によっては確実性を重視して右足を着くのも有りだ。目線も大事で頭を水平に、やや遠く(20~30m先)を見ると平衡感覚をつかみやすい。

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車体が傾いたまま停止すると当然傾いた側に車体が倒れようとし、それを補正しようとハンドルも切れ込み、それを止めようとブレーキレバーを握っておっとと、ガッシャーンとなりがち。特に重い大型バイクでは、少し傾いただけでリカバリーするのはほぼ不可能だ。そうならないためにも事前の「真っすぐ」なアプローチが必須となる。

Point3
「足を前に着く」

■止まる位置を予測して少し先に出すG
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信号停止で足を着いたらバイクが先に行ってしまって冷汗。これは自分の想定より制動距離が長いときに起こりやすい。たとえば、減速時の初速が高い場合や下り坂での停止などのとき。対策としては、自分が止まろうとしている地点より少し先に足を出すとタイミングが合いやすい。完全停止したときに自分の真下に足が着けるはず。

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停止前からなんとなく足を出していると、足だけ後ろに持っていかれてしまい、停止したときにバイクを支えられなくなる。足着きに不安がある場合は、足を着こうとする側に前もって腰を10cm程度ずらしておくとだいぶ足を着きやすくなる。

Point4
「路面状況を観察する」

■安全な場所をめがけて止まる
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古い道路はアスファルトが剥がれていたり、大型トラックが行き交う幹線道路は深い轍や土手のように盛り上がっていたり。雨天ではツルツル路面や白線や鉄板はとにかく滑る。停止するときは路面をよく見て危険を避け、安全確実に止まれる場所をめがけて止まりに行くのがベストだ。停止直前に気付いても修正できないので、余裕を持って早めに判断したい。

スマテク2.0 講師 プロフィール

Source: バイクブロス
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